孤独のグルメ

モノを食べるときはね
誰にも邪魔されず
自由で なんというか
救われてなきゃあ
ダメなんだ
独りで静かで
豊かで……

 久住昌之 原作、谷口ジロー 作画の名作「孤独のグルメ」。
 ネットでも随分紹介されているので、知っている方も多いんじゃないでしょうか。
孤独のグルメ (扶桑社文庫)
 以前、この単行本を買って持ってたんですが、義妹に見せたらいたく気に入られ、そのまま持って行かれてしまいました。
 高いものでもなかったので、まー、今度また買うかな、と思っていたら、なんと週刊SPAで10年ぶりの新作が発表!話題になりましたよね。なってない?いや、なってた。
 その新作を含めた19編に加え、作者二人と作家の川上弘美の対談を載せた新装版がついに(といっても今年4月のことですが)発売されました。
孤独のグルメ 【新装版】
 大判になったことで、読んだことのある話でもかなり印象が変わりました。
 やっぱり、絵の大きさって、重要なんですねえ。
 個人的に好きなのは第四話「東京都北区赤羽の鰻丼」。
 朝っぱらから飲める飲み屋を見つけた井の頭五郎(主人公)が、鰻丼と「おかずとして立ち上がって」きたおつまみを複数注文して、朝飯をたいらげる、ただそれだけの話なんですが、出てくるおつまみの旨そうなこと。
 特に、いくらどぶ漬けを鰻丼のあまりのご飯にかけて食うくだりなどは、見ていて腹が鳴ってしょうがない。
 メシを食う、それだけの話なのに、いや、それだけの話だからこそ、ここまで「わかるわかる!」と頷いて読めるのかもしれません。
 ちなみに、新作である特別編「東京都内某病院のカレイの煮つけ」は、10年という時間の経過で絵柄は少し変わってはいるものの、久住節とも言える細かい観察眼と、それを存分に表現する谷口ジローの細密な描写は健在で、しっかり「うまそさ」を見せてくれます。このへんはさすがですね。

 それにしても、どうして新作は一遍だけで終わってしまったんでしょうか。
 ネタはいくらでもあるだろうし、ずっと続けて10巻くらい出せばいいのに…

コメント

人気の投稿