ウェブサイトって「表紙」ないよね

ウェブサイトには雑誌でいうところの「表紙」って概念がない。

なんで?トップページあるじゃん?と思った人は、トップページのレイアウトをよく見て欲しい。
あれは「表紙」じゃなくて「目次」なんですよ。
サイト製作のセオリーでは、サイト内で見せたいページへのリンクを出来る限りトップページの中に押し込む事になってる・・・と思います。リンクというのは、本で言えば「特集・・・16P」みたいな事です。バナーも同じですね。
そして、ウェブサイトのトップページのファイル名は「index.html」であることが多いけど、まさしくインデックス=索引、つまり「目次」なんです。
確かに雑誌の表紙にも特集の大見出しや、各記事のタイトルくらいは載ってる。けれど、雑誌の表紙が表紙たる所以、機能のメインは「誘目性」です。コンビニや本屋の棚の中でどれだけ人に手に取ってもらえるか・・・そういうシーンを前提に作られているからこそ必要とされるものが、「表紙」なんです。
もちろん、ウェブサイトでも誘目性という概念が重要であることに変わりはありません。しかしそれは、あくまで「うちのページのここを目立たせたい」という内部の話であって、「うちのページ自体を目立たせたい」という話ではありません。

では、ウェブサイトにとって「本当の表紙」は、どこにあるのか?
「沢山の情報の山から、ひとつの情報を見つける時、一番最初に目にする部分」・・・Googleの検索結果が一番それに近いんじゃないか、と思います。
となると、Googleの検索結果は、全部の本が規則正しく背表紙を向けている本棚、ということになりますね。

ここからわかることは、検索結果の画面というのは、まだまだ改善の余地がありそうだ、ということです。
だってあなた、どこまでも続く、きれいに背表紙がズラーッと並んだ本棚から、欲しい本を探したいと思いますか?
それが面倒だから「先頭から3つ目くらいまでしか見ない」って事になるのでは?
背表紙が並んだ状態というのは、構造としては美しいです。けれど、売れている本屋は大抵、平積みをしたり、POPをつけたり、店員の個人的なおすすめを本棚としてまとめてみたり、あえて「構造としての美しさを崩して、人間の感性を刺激するかたちに再構成している」ところがほとんどです。
ゆくゆくは、検索結果の画面もそういう風に進化するんじゃないかと考えています。
というか、Googleの検索結果画面だけカスタマイズして作れるAPIみたいなものがあれば(あるのかな?)、すぐにいろんな人が反応して沢山バリエーションを作りそうだよね。

本という媒体自体、人々から長く愛された実績があるので、人の興味を引くためのノウハウが沢山あります。
ウェブの世界を考えるときも、まだまだメタファーとして参考になる部分が多いのかな、と思いました。

屁民 @1003000
屁民新報+(履歴等) http://sakusabe.blogspot.com/

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